ひょうすんぼ

宮崎の田舎町、都農町についてとその他色々

親分子分①

 前回の更新からかなり時間が空いてしまった。3週に渡って続いた期末試験がやっと終わったので、これからはちゃんと更新出来るようにします。

 

 今の日本でオヤと言った時それは血縁的な親を意味することが大半である。しかし柳田国男によれば以前の日本はそうではなく、オヤは労働組織としての親分子分のオヤを言うのが一般的であったという。オヤは血縁的な親のみを意味するのではなく、親分や仮親を意味していた。コもまた同様に労働組織としてのコであった。こういったオヤコ関係が存在していたからこそ、日本では仮親関係を軸とした養子や、親分子分の関係が発達したとされます。

 以前書いたような気がしないでもないですが、私の祖父母にも仮親がいました。仲人親というやつで、仕事の世話をしてもらったりしていたようです。今ではこういった仮親関係はさっぱり見なくなりましたが、政治の世界には未だに残っています。

 そしてこれは日本特有のものかというとそういうわけでもなく、例えばイタリアでは日本の職人などと同様に親分子分の制度が存在していました。日本と同様にイタリアの政治の世界(特に南部)にもこの親分子分制度が存在し、クライエンテリズムという言い方をします。今はどうなのかわからないのですが、19世紀スペインの政治の世界にもクライエンテリズムは存在していて、カシーケという言い方をしました。

 この親分子分の話を用いた日本とイタリア、スペインとの比較民俗学的な研究があれば面白いなと思います。政治学の方では比較した研究はあるのですが、民俗学については探したところ見つかりませんでした。